高額療養費制度見直し

こんにちは。FP・行政書士すのはら事務所です。
25年度予算案を巡って与野党の攻防が繰り広げられていますが、
103万円の壁など、野党に攻め込まれており少数与党の苦しいところですね。
予算成立しないまま、新年度突入なんてことになるのでしょうか。

社会保険関連では「103万円の壁問題」「基礎年金底上げ」「厚生年金の対象拡大」など
盛りだくさんですが、「高額療養費制度」の見直しが閣議決定されました。成立に持ち込めるかどうかはこれからでしょうが。

高額療養費制度

公的医療保険の被保険者、被扶養者は原則的には掛かった医療費の3割を自己負担しますが、大きな手術を受けたり、長期入院した場合など、自己負担額が高額になる場合があります。そのような場合、その負担を軽くするため、所得に応じた「自己負担限度額」が設定されており、一か月に支払った自己負担医療費が限度額を超えた場合、その超えた分を請求すれば後で高額療養費として支給されるものです。対象となるのは健康保険扱いにおける自己負担部分のため、入院時食事代、差額ベッド代などは対象外となります。

限度額適用認定証

いったん自己負担した後、高額療養費が支給されるまでには受診から3か月程度かかります。長いですよね。そこで事前に加入する保険者の認定を受け、「限度額適用認定証」を病院に提出すれば、窓口で実際に支払うのは自己負担限度額までとなります。この対象となるのは、69歳以下の方については全員、70歳以上の方については、①住民税非課税の方に加え、➁現役並み所得の方(年収約370万円~約1,160万円)の方が対象となります。

自己負担限度額

現在の自己負担限度額は下表の通りです。赤字の金額が基準となる金額です。

自己負担限度額の引き上げ

現行では、55歳で年収約700万円の方が100万円の医療費を支払った場合
80,100円+(1,000,000円-267,000円)X1%=87,430円 が自己負担限度額となり、本来の窓口負担額30万円(3割負担)との差額212,570円が高額療養費として支給されます。

今回の案では基準となる金額を3年かけて段階的に引き上げる案になっています。25年8月には
 252,400円 → 290,400円 +38,000円
 167,400円 → 188,400円 +21,000円
  80,100円 →  88,200円 + 8,100円
  57,600円 →  60,600円 + 3,000円
  24,600円 →  25,300円 +   700円
  15,000円 →  15,400円 +   400円
となる案です。

年収区分の細分化

さらに今回の案では年収区分の細分化も予定され、細分化された区分ごとに基準となる金額も引き上げられていきます。
70歳未満は5段階から13段階へ、70歳以上は14段階となります。

先ほどの55歳で年収約700万円の方が27年8月以降に100万円の医療費を支払った場合、自己負担限度額は
138,600円+(1,000,000円-267,000円)X1%=145,930円が自己負担限度額となり、本来の窓口負担額30万円(3割負担)との差額154,070円が高額療養費として支給されることになります。

この基準額引き上げと区分の細分化により、概算で3700億円の支給削減となるようです。その分をひっ迫する健康保険の財政やこども関連の財源に向けるとことです。現在の社会保険の状況では、一定以上の所得に応じた負担は仕方ないことなのかなと思います。健康に留意して高額療養費のお世話にならないよう過ごしていきたいものです。

    

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