税金滞納で永住許可資格取り消しを検討

こんにちは。足立区の行政書士すのはら事務所です。
昨年来、技能実習制度を中心に外国人の在留資格に関する議論が行われているようですが、その中で「永住者」に関する検討も行われているようです。

永住者とは

外国人が日本に住む、または働くためには在留資格を得る必要があります。在留資格は、日本国内で行うことができる活動による区分けと、日本国内で有する身分又は地位による区分がありますが、「永住者」は後者による在留資格になります。永住許可を得るための要件は、①素行が善良であること➁独立の生計を営むに足りる資産又は技術を有すること③その者の永住が日本国の利益に合すると認められることとなっていますがハードルは高いと言えるでしょう。しかし「永住者」になると、在留資格更新の申請が不要となったり、活動の制限もなくなるので、就労活動も自由に行うことができ、外国人の方にとってはメリットの大きい在留資格になります。その人数は昨年6月末現在で約88万人で在留外国人の約27%を占めているとのことです。四人に一人は「永住者」という事ですね。

税金滞納で資格取消も

「税金滞納で資格取消」との事ですが、そもそも「永住者」の資格を申請するにあたって、過去5年または3年の所得税、住民税の納付状況を証明する必要があり、公的年金、健康保険は過去2年の納付状況を証明する必要があります。国内で法人に労働者として雇用されていれば所得税等は源泉徴収され、ほとんどの場合社会保険料も給与から天引きされるので良いのでしょうが、個人事業主だったり個人事業主に雇われたりしている場合、税滞納の問題はあるかもしれませんね。中でも国民年金保険第一号被保険者の保険料納付率は、厚労省の資料によれば令和元年度分で78%、令和3年度分は74%前後の模様です。2024年4月からの第一号被保険者の保険料は月額16、980円、年間203,760円。少ない額ではないですよね。毎月支払うつもりでもついつい先送り・・・。よくあるパターンです。支払いが本当に厳しい場合は、支払い猶予制度や免除制度もあるのですが、「永住者」の元々の要件である「独立の生計を営むに足る資産」との兼ね合いが問題となりそうですね。高いハードルを越えて得た在留資格ですから、しっかり納税してもらえるのが一番ですが。

                    ⇩

          「行政書士すのはら事務所のホームページ」