こんにちは。足立区綾瀬のFP・行政書士すのはら事務所です。
前回、墓じまいについて説明しましたが、先日の新聞に墓じまいに関するトラブルが掲載されていました。墓じまいをする人の増加と共にトラブルも増えているようです。
改葬件数と国民生活センターへの相談件数
厚生労働省の衛生行政報告書によると、いわゆる墓じまいに伴う改葬件数は、平成26年には約8万4千件だったものが、令和6年には約17万6千件と倍増しています。

(グラフは衛生行政報告例に基づき東北管区行政評価局が作成)
これに伴い、国民生活センターに寄せられる墓に関する相談件数も2025年は1077件となっています。相談内容としては、
・遠方の寺院の永代供養墓に納骨している両親の遺骨を近隣の霊園へ移したいが、寺院から高額な離檀料を請求され円滑に進まない。
・菩提寺に墓じまいを依頼したところ、高額な離檀料を請求された。支払える金額でない上、規約などの定めもなく請求根拠が不明だ。
など離檀料に関する相談が多いようです。
改葬にはお墓の管理者(お寺等)の協力が必要
改葬を行うには市区町村長の許可が必要で、改葬許可申請書を提出します。その際、現在のお墓の管理者に埋蔵証明書を発行してもらうか、自治体の改葬許可申請書の証明欄に記入してもらわなければなりません。それがないと許可が下りないことになります。足立区の申請書はこのとおりです。

減りつつある宗教法人
政府の統計ポータルサイト「e-Stat」によれば、仏教系宗教法人の数は、令和7年度では約7万6千法人となっており、平成15年から約1千法人減少しています。また廃寺になったり、住職が不在のお寺は約2万とも言われています。私の両親が眠るお墓があるお寺でも一昨年ご住職が急逝され、現在は仏事があるときには他のお寺から通いでご住職に来てもらっています。日本の人口減少の他、地方では過疎化が進み、それが檀家の減少→お寺の収入減→維持管理の困難化、となっていると考えられます。
改葬したい側と離檀してほしくないお寺側
本来改葬する事は、手続きさえ経て行えば自由ですが、お寺側にも檀家として残ってほしい事情はあります。そのため改葬を進めるには事前の話し合いが重要です。たとえ改葬が自由であっても、いきなり離檀の話を持ち出されればお寺側も良い気持ちではいられないでしょう。改葬が必要な理由やこれまでの感謝の気持ちを伝えましょう。また離檀料等については事前に檀家規約、墓地使用規則等を確認しておきましょう。
埋蔵証明書の発行を断られたら
それでも埋蔵証明書の発行や書面への記入を断られたという場合には、改葬許可を所管する市区町村の担当窓口に相談してみましょう。墓地、埋葬等に関する法律施行規則2条2項1号には、墓地等の管理者が作成した埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面を挙げたうえで、かっこ書きで「これにより難い特別の事情のある場合にあつては、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」と定められています。「特別な事情」に該当するのか、「準ずる書面」とは何か、相談してみましょう。
高額な請求を受けた場合・話し合いがまとまらない場合
自治体窓口に相談して改葬許可が下りたとしても、実際にはお寺の協力がないと改葬は進みません。高額な請求を受けたり、どうしても話し合いがまとまらないなどの場合は弁護士に相談することになります。その為の費用も掛かってしまいます。そのような事態をできる限り避けられるよう、早めの話し合いを持つようにしましょう。




