法務省がデジタル遺言 検討へ?

万一の場合や将来に向け、遺言書を遺しておくことは、遺された家族の負荷を軽くし、遺産分割におけるトラブルを防ぐためにも重要な事ですが、実際に遺言書を作成している人はまだまだ少ないようです。いろいろな調査データがありますが、10人に1人くらいとのようです。

公正証書遺言と自筆証書遺言

遺言書は主に公正証書遺言自筆証書遺言に大別(他に秘密証書遺言があります)されます。公正証書遺言は、証人二名の元、公証人が遺言を作成し公証役場で保管してもらえるので、内容が無効になったり紛失するリスクがありません。一方で証人が必要なため内容を秘匿できない事や、遺産が大きと手数料がそれなりに掛かります。
自筆証書遺言は紙と筆記用具があればいつでも作ることができます。一方で、内容に不備があると遺言書自体が無効になったり、紛失したりするリスクもあります。そのため2020年から自筆証書遺言の保管制度がスタートし、この三年間で6万件近くの利用があったようです。2018年の法改正で、財産目録はパソコンでの作成が認められましたが、本文は手書きの必要があり、間違えた場合の訂正方法も面倒なものがあります。

自筆証書遺言がパソコンで作れるようになる?

多くの人がそうだと思いますが、最近は手書きで書類等を作ることが少なくなり、文字を書くことは重労働のような感じがしますよね。そこで自筆証書遺言の本文も、パソコン等のデジタル機器で作成できるようにする検討が法務省で始まるとのことです。これは遺言作成の負荷がかなり軽減されることになりますね。しかしそうなるとその遺言を作成したのが本人であるという確認をどうするかが大きな問題になりますね。本人の署名の自筆や電子署名などが検討されるようですが課題は多そうです。それでも全文自筆の負荷軽減は、遺言書を残す事が一般的になるために必要なことと思います。

家族のために

今回の研究会がどのような結果を出すかは別として、遺された家族の負担軽減や家族間の紛争を防止すためにも、遺言を遺す事は大事なことです。「縁起でもない」とか「そのうちに」と言う気持ちも理解でますが、「家族のため」と言う気持ちになって考えてみてはいかがでしょうか。

                     ⇩

           「行政書士すのはら事務所のホームページ」